月: 2017年6月

【人を呪わば穴二つ(8)】最終話・呪いの結末

この話は、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。

食事中のかたや汚いものが嫌いなかたは、読まないことをお勧めする。

 

前回はこちら

 

ここまでお付き合いくださった皆様、ありがとうございます! 
ようやく最終回です!

 

——
手術から1週間。

 今日も診察。 
手術の翌週に3回。こんなに通院が必要だと知らないほど無知だったジロウ。
   さて、油断してると先生は顔も合わせないうちに次の診療に行ってしまうので、早速聞いてみた。 

 

「わざと・・・!?」

「縫うとまた膿が溜まっちゃうから、
痔瘻を取った部分はそのままにして、汚れが流れるようにしてあるの」  ——

ジロウメモ

 

痔瘻の術式には3種類あることがわかった。

・開放術式・くり抜き術式・シートン法
 

 

 

 

「では、痔瘻術式説明ロボを使って説明しよう。」

 

 

“開放術式”は痔瘻のトンネル(赤色)をパックリと切り取ってしまうやり方ぢゃ。」 

 

「単純な痔瘻に使われ、再発率が低い。」
「痔瘻から肛門まで(オレンジ色)を切り取るため、
痔瘻の位置や大きさによっては括約筋が大きく切られてしまう。
つまり、肛門がゆるくなってしまうのぢゃ。

 

 

 

「”開放術式”では対応できない場合に使うのが“くり抜き術式”ぢゃ。
痔瘻のトンネルをスポッとくり抜く感じぢゃ。」

 

 「肛門まで切らないので変形リスクが低く、切られる括約筋も小さくて済む。」

「しかし、高度な技術が必要で、再発リスクも高いのぢゃ。」

 

「”開放術式”も”くり抜き術式”も切り取った部分の肉が自然に盛り上がってくるのを待つのぢゃ。」

 

うわあああ!それでおれの尻はパックリと穴が空いていたのか!!!!

なんて恐ろしい術式なんだ・・・。
どうして切り開いたままで大丈夫なのか全然分からない。

 

「続けるぞい。」

「難易度や再発率が高いという”くり抜き術式”の短所に対応したのが “シートン法” ぢゃ。
痔瘻のトンネルに糸やゴムを通してジワジワと締め上げて治していくやり方ぢゃ。」

 

「再発率が低く、変形リスクも低い。最近では”シートン法”を選ぶ施設が増えているようぢゃ。」

「治るまでに時間がかかるのが短所と言えるぢゃろう。」

 

 

「以上ぢゃ。」

 

※ 上記解説については、素人がまとめたものなので正確性に欠けている点をご了承ください。

痔瘻の手術については下記のサイトがとても分かりやすく参考になりました。
原医院痔瘻の治療法(1)
よくわかる大腸肛門科痔瘻の術式を比較する

 

——

あの日、呪いをかけられた男と
呪いをかけた女がいた。

手術から半月。

 

毎朝、毎晩。

  ジロウは尻に軟膏を挿している。

 

 

 完治まで1〜2ヶ月らしいです。

おしまい。

【人を呪わば穴二つ(7)】臀の形(しりのかたち)

この話は、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。

食事中のかたや汚いものが嫌いなかたは、読まないことをお勧めする。

 

前回はこちら

 

手術が無事に終わり、先生からの説明を受けるジロウ。

 

先生の描いた説明図がこれ。

 

(青い文字は説明のため後からジロウが書きました)
「痔瘻の内部は結構大きかったんだけど、全部取ったから」
「イボも(ついでに)取ったからね」

 

 おれの尻は今、こんな感じだろうか。
イボを取ったところも縫ってあるんだよな? 

 

薬や通院、お風呂のこと食事のことなどいろいろと説明があった。

特に気になるのはやはり排便のことだろう。
こんな傷だらけの尻でうんこをしてもいいのだろうか。

 

 

「出したあとは紙で拭くのはよくない」

 

・・・!!

 

あとは、夜間用の電話番号も教えてもらう。
何かあったら24時間いつでも連絡していいそうだ。

「稀にだけど、血が止まらなくなる場合もある」

 

 「ズボンが真っ赤になっても止まらない」

500〜1000人に1人くらいの割合でいるらしい。
しかも二週間後になったりするとか…。

会社にいるときになったら地獄だな。

 

それにしてもお医者さんは本当に大変だ。

1日分の食事セットをもらい、この日の会計は4万5千円ほどであった。

 

—–
家に帰ったジロウは、指示通りに痛み止めを飲んだ後、
今夜来るヨメの同僚たちのためにゴミ捨てなどをした。

 

しばらくしたら気分が悪くなってきた。

 

麻酔の後遺症か?
いや、貧血かもしれない。きっと手術で血を失ったのだ。
今も傷口から血が出ているのかも。

しばらく横になろう。

 

やがて会社からミナが帰ってきた。

 

こういうとき、一人じゃないのは助かるが、
果たしてこのヨーグルトは尻にいいのだろうか。
とりあえずちょっとずつ飲んだ。

なお、ミナのやつはヨーグルトを2本買ってきていたが、
翌日喉が渇いたのか、もう1本はミナが飲んでしまっていた。
飲みたかったのに。

 

ここで初めて、鏡で尻を見てみた。

 

てっきり血だらけかと思ったけど、特に汚れてない。

 

ちなみにこんな感じで二重のガーゼで守られている。

多くても安心。

血が出てないとわかったら、何だか震えも止まり、症状も落ち着いてきた。

お腹が空いてて血糖値とかが下がっていたのかもしれぬ。
晩御飯を食べて休もう。

やっぱりおかゆかなー。
なんかシチューっぽい写真も載ってたよなー。
メニューが決まってるなんて、給食みたいでなんか嬉しいな。

などと思いながら病院からもらった箱を取り出す。

 

わくわくしながらパッケージの裏をみる。

 

 

!!!!

 

今日の晩御飯は、ビスコ…。のみ…。

 

ちなみに、写真の後ろに写っているワイングラスは、
これから始まるミナと同僚たちのパーティ用である。

この日のパーティは3時過ぎまで行われたという。

 

 

—-
術後1日目。土曜日

朝から病院へ診察に行く。
特に問題はないそうだ。

じつはこの日の午後、ミナの同僚の引越しのドライバーをやることになったのだが、
それはまた別の話として。

夜は映画館で美女と野獣 IMAX 3D を鑑賞。
映画が安い日だったのだ。

なぜこの日はこんなに無茶をしたのだろうか。

夕食後、術後初めての便通。

話に聞いていた通り、下痢であった。
下痢って傷口に流れ込んだりしないのだろうか。

先生は洗面器で尻を洗えと言っていたが、
このままお風呂まで移動するのはちょっと抵抗がある。

シャワートイレがダイレクトに当たらないようにびくびくしながら洗い、
すぐに風呂でシャワーで流す生活になった。

 

—-
術後2日目。日曜日

昨日の疲れもあり、基本大人しくしていた。
ようやく手に入れたPS VRで少し遊ぶ。
明日からの出勤に備えて円座クッションをネットで買った。

よく排便をした。
トイレに行くのは面倒だし怖いが、うんちを溜めておくこともよくないということだ。

あとで調べたのだが「傷はお尻に便がないときに治っていく」らしい。

 

—-
術後3日目。月曜日

術後2度目の診察。

取り調べを受ける尻。

 

先生「うんちでてる?」
ジロウ「はい」
先生「いい形になってきた」
ジロウ(いい形…?)

まあ、順調そうで良かった。

ブスッと軟膏を入れられ、看護師さんがガーゼを当ててくれる。

着替えて出ると、もうそこに先生の姿はなかった。
先生と一度も顔を合わせずに診察が終わった。

 

—-
術後4−6日目。

順調と聞いて油断していたのか、ジロウは残便感に耐えきれず、
先生の教えに背き、長時間、何回も力んでしまったときがあった。

それがよくなかったのか、このころから尻に違和感を覚える。

今までうまく入っていた軟膏を入れにくくなってきたのだ。

 

以前のスタイル 

 

よく見えないから見方を変えてみよう。

 

新スタイル 

 

「あれ?なんか肛門にイボみたいなでっぱりがある…」
それで軟膏を入れにくくなったのか。

力みすぎて何か飛び出てしまったのだろうか?
せっかく綺麗な形になっていたのに。

 

いや、それよりも。

「なんか痔瘻のあった部分が赤いが…?」

 

少し広げてみたところ…

 

 

痔瘻のあった部分に、パックリと割れた空間があったのだ…!!!

 

うわああああ!

 

どういうこと!?次回へ!

【人を呪わば穴二つ(6)】手術編 後編

この話は、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。
食事中のかたや汚いものが嫌いなかたは、読まないことをお勧めする。

 

前回はこちら

 

「はい、お疲れ様でした」

 

気がつくと手術が終わっていた。

 

 

手術台のまま移動して、元のベッドに転がって戻る。

 

この辺の記憶は曖昧だが、オムツをはいたあと、そのまましばらく眠ってしまったと思う。

しばらくして看護師さんに起こされる。

 

(余談だが、隣の人の選択肢は「ウーロン茶、緑茶、なんとか茶、水」であった)

 

尿意を感じたらトイレに連れてくので言ってくれとのこと。

もう十分休んだから早くおしっこをして帰らねばならないのだろう。

わずかな尿意を拡大解釈し、トイレに立つ。

 

 

尻が痺れている。
痛みはない。
うまく歩けず少しよろけた。

 

 

大きなカップを渡され、流さずに全部そこに出せと。
足りなければ何個も使えと。

コップ一杯しか飲んでないのにそんなに出るものか?

「まだ足がふらついてて危ないから座って(おしっこをして)いいですよ」

と言われたものの、 オムツを取るのが怖かったし、
座ったら尻の傷口が開いてしまうのでは?
と不安になり、立ったまま排尿をしてみる。

 

女性だったらこうは行かないだろう。
男で良かったと思った。

しかし、所詮は拡大解釈した尿意。
まるで出る気配がなかった。

力が入らないというか、どうやればおしっこが出るのか分からない。

申し訳ないがここは一旦退却だ。

看護師さんを呼び、状況を告げ、ベッドへ戻る。

 

早く帰らねば。

いつまでいるんだと思われてるかもしれないし、
実は16−17時でPS4の時間指定配達を依頼しているのだ。

時間が確認できないが、今は何時なのだろう。

再び尿意を拡大解釈してトイレに。

だがやはり出ない。
もういっぱい水をもらえば出るのかもしれない。

と思いながらベッドに戻ると、追加の水ではなく、追加の点滴がなされた。

 

そうか、点滴は尿になって出るということか!

 3度目の挑戦でついに出た!
カップは3杯ほど出た。

「では先生に診てもらいます。」

よし、これで帰れるぞ。

「ん?」

 

尻が、チリチリするぞ?

 

 

まずい!怖い!

診察にきた先生に訴えかける。

「ちょっと痛くなってきた気がします…!」

「あー、そうだね」

 

尻の周りにブスブスと注射をさし、
肛門にズボッと何か(軟膏だった)を入れた!

ええ!?
そんなに大胆に刺していいの?
さっき切ったばかりですよね?

「はい、じゃ着替えたら説明するので待合室で待っててください」

 

着替えてスマホをみる。

 

おれが死んだと思って焦ったミナ。

先週のアイツ。

 

そういえば、どこの病院なのかも伝えてなかったな。

 

そして、時刻は午後4時20分であった。

 

 

15時には終わって、早く帰ってPS4で遊ぶつもりだったんだ。

ジロウはまだ知らなかった。
自分の尻が今、どのようになっているのかを。


続く。 

【人を呪わば穴二つ(5)】手術編 前編

この話は、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。
食事中のかたや汚いものが嫌いなかたは、読まないことをお勧めする。

 

前回はこちら

尻の手術を決めてきた桜田麩ジロウ。

ついに手術の日を迎えた。

 朝飯は軽く食べて来なさいとのことだったので、おにぎりを食べてから病院へ。これから肛門を切るというのに、朝飯を食べていいとは意外であった。    病院につき、早速手術着に着替える。手術着の下は全裸になれ、だが靴下は履いててもいい、とのこと。 

せめて足くらいは隠そうか、という謎の心理が働く。
足を隠して尻隠さず。
  そして、たぶん人生初の浣腸。 「ぬるっとしますね」と言いながら看護師さんが尻に何かを入れる。 

 

 「今からトイレに移動して、3分我慢してから出してください」「お尻に力を入れて歩いてください」「立ったまま待たれる人が多いです。座ると出ちゃうので」「どうしても我慢できなければ途中で出しちゃっても大丈夫」

などの指示をされ、トイレに入ってストップウォッチを渡される。 

 

 1分、2分と進むにつれ、お腹がどんどんとギュルギュルしてくる。3分経過。
座るないなや、ブバババッと出る。

  ベッドに戻ると点滴を入れられる。 

 

  順番が来るまでそのまま待機。先生は忙しいのだ。

 病院は基本カーテンで仕切られているだけ。
オペ中の会話まで聞こえてくる。

 

 隣の人が「たくさんオナラ出してください」とかいわれてたり。
患者はおじさんとおばさんばかりで、若い子の姿はなかった気がする。
    おれはイビキがうるさいから寝てはいけない。

そう思いながら、自分のイビキで目が覚めることを繰り返し、
1時間くらい過ぎただろうか。

 

 ついに時がきた。   手術台へと移動し、尻を出す。 

 

 驚くほどに恥ずかしさがない。
  いつからおれはこうなってしまったのだろうか。若い頃なら絶対に恥ずかしさに負けていたはずだ。

先生や看護師さんにとっては、数ある尻のひとつで、
たぶん何の感情もないはずなのだ。   そして、先生がやってきた。

「ちょっと針がささりますよ」  

 

麻酔である。
  痛え…
ズンッッという重みが走る。

「押されてる感じがするでしょ?」

いや、そんな優しい感じじゃないけどなぁ…

 麻酔は15分くらいで効くとのことで、そのまま放置される。
(尻にタオルくらいはかけてくれたが) 
 看護師さんたちが談笑しながら洗い物をしているのを聞いていた。

  7分ほど経過しただろうか、看護師さんが後ろに立った。

「麻酔の効き具合を確認しますね」

 

肛門周りを上から下へと。

「全部痛いです!」

「大丈夫!まだ時間じゃないですから」

何故、今確認した…!

そして、間髪入れずに。

 

あ…
今まで何も言われなかったけど、ありますよね!
すみません!

剃毛後「お尻を広げますね」とのこと。

薄い鉄板のようなものでガッチリと尻を固定される。

 

自分からは見えないが、安いロボットの手のような感触の器具だった。

先生と麻酔の効き具合について話した看護師さんが
「点滴にリラックスできるものを入れますね」
といって何かを入れた。

 

先生は「…モルヒネ…」って言ったように聞こえたけど、さすがに聞き違いだろう。

だが、ここで、ジロウの意識は突然途切れる…!

続く! 

【人を呪わば穴二つ(4)】診察編

この話は、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。

 

食事中のかたや汚いものが嫌いなかたは、読まないことをお勧めする。

 

前回はこちら

痔瘻は手術しないと治らない

と知った桜田麩ジロウであったが、
「実は痔瘻じゃなくて、自然に治るんじゃないか」
などと淡い期待をしながら、日々、
尻にティッシュを挟んで過ごしていた。

しかし、治る気配は一向にない。

「おれはいつまで尻にティッシュを挟む生活をするのか?」
 そう自分に問いかけたジロウは、病院へ行くことを決めた。 

診察を終えた先生はこう言った。

「あと、立派なイボが2つある」

完全な痔瘻。そしてイボも。

  先生は手術について話し始めた。
 「まずお尻に麻酔をして、15分くらいしたら効くから、手術はそこから1時間くらい。それから2-3時間はベッドで安静にしてから帰ってもらう。運転はできないから。翌日は仕事もできるけどなるべく安静にして、診察にも来て。あなたの都合のいい日を教えて」

翌日も診察に行く必要があるとは知らなかったが、確かに日帰り手術のようだ。

 

ということで。

手術は翌週の金曜にすることにした。
ありがたいことにこの病院は土曜もやっているので、会社を休むのは1日だけで済む。

 健康が取り柄のジロウ。大病も怪我もしないことが自慢であった。
 そんなジロウにミナは言った。

「テメー!死ぬかもしれないからな!」「プーッ!」

実際、お腹や頭を切るような手術だったら困るわけで。
これはこれで健康の証だろうか…   そんなやりとりをしながらも、

「一週間後には尻が綺麗になるんだ 」
 と夢見るジロウ。

痔瘻の手術というものをまるで理解していないジロウなのであった…

いや、知らなかったからこそ、手術に踏み切れたのであろう。

続く。

余談であるが、手術の日にはミナの同僚が家に遊びに来る予定だったらしい。

「リスケしたほうがいいかもしれないと思って。尻の手術だからwww」 ウソだ!みんなに言いたくてしょうがなかっただけだろ! でも別に大したことでもないと思ったので、リスケしなくていいよと言ってやった。

【人を呪わば穴二つ(3)】2つの穴を持つ男

この話は、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。

食事中のかたや、汚いものが苦手なかたは読まないことをお勧めする。

前回はこちら

ミナが見たものとは・・・

お尻の手術とは従来大変な痛みを伴うものだったそうですが、今は日帰り手術でできるとのこと。

あと「何科に行くの?」と何度か聞かれたのですが、「肛門科」ですよ!

ちょっと行って、プッと取っちゃう
みたいなノリかなー。
って、このときは思ってました。

第4話に続く

【人を呪わば穴二つ(2)】尻見るヨメ

これは、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。

引き続き、食事中のかたや汚いものが嫌いなかたは読まないことをお勧めする。

 

第1話はこちら

アナ恐ろしや。

第3話に続く

【人を呪わば穴二つ(1)】桜臀部ジロウ

皆様はこれを覚えているだろうか・・・

これから始まる話は、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。

 

食事中のかたや汚いものが嫌いなかたは読まないことをお勧めする。

 

では、第1話のはじまりである。

というわけで。

この話はしばらく続きます。

第2話に続く