【人を呪わば穴二つ(5)】手術編 前編

[特別編] 人を呪わば穴二つ(痔瘻)

この話は、ある女に呪いをかけられた男の、かわいそうな物語である。
食事中のかたや汚いものが嫌いなかたは、読まないことをお勧めする。

 

前回はこちら

尻の手術を決めてきた桜田麩ジロウ。

ついに手術の日を迎えた。

 朝飯は軽く食べて来なさいとのことだったので、おにぎりを食べてから病院へ。これから肛門を切るというのに、朝飯を食べていいとは意外であった。    病院につき、早速手術着に着替える。手術着の下は全裸になれ、だが靴下は履いててもいい、とのこと。 

せめて足くらいは隠そうか、という謎の心理が働く。
足を隠して尻隠さず。
  そして、たぶん人生初の浣腸。 「ぬるっとしますね」と言いながら看護師さんが尻に何かを入れる。 

 

 「今からトイレに移動して、3分我慢してから出してください」「お尻に力を入れて歩いてください」「立ったまま待たれる人が多いです。座ると出ちゃうので」「どうしても我慢できなければ途中で出しちゃっても大丈夫」

などの指示をされ、トイレに入ってストップウォッチを渡される。 

 

 1分、2分と進むにつれ、お腹がどんどんとギュルギュルしてくる。3分経過。
座るないなや、ブバババッと出る。

  ベッドに戻ると点滴を入れられる。 

 

  順番が来るまでそのまま待機。先生は忙しいのだ。

 病院は基本カーテンで仕切られているだけ。
オペ中の会話まで聞こえてくる。

 

 隣の人が「たくさんオナラ出してください」とかいわれてたり。
患者はおじさんとおばさんばかりで、若い子の姿はなかった気がする。
    おれはイビキがうるさいから寝てはいけない。

そう思いながら、自分のイビキで目が覚めることを繰り返し、
1時間くらい過ぎただろうか。

 

 ついに時がきた。   手術台へと移動し、尻を出す。 

 

 驚くほどに恥ずかしさがない。
  いつからおれはこうなってしまったのだろうか。若い頃なら絶対に恥ずかしさに負けていたはずだ。

先生や看護師さんにとっては、数ある尻のひとつで、
たぶん何の感情もないはずなのだ。   そして、先生がやってきた。

「ちょっと針がささりますよ」  

 

麻酔である。
  痛え…
ズンッッという重みが走る。

「押されてる感じがするでしょ?」

いや、そんな優しい感じじゃないけどなぁ…

 麻酔は15分くらいで効くとのことで、そのまま放置される。
(尻にタオルくらいはかけてくれたが) 
 看護師さんたちが談笑しながら洗い物をしているのを聞いていた。

  7分ほど経過しただろうか、看護師さんが後ろに立った。

「麻酔の効き具合を確認しますね」

 

肛門周りを上から下へと。

「全部痛いです!」

「大丈夫!まだ時間じゃないですから」

何故、今確認した…!

そして、間髪入れずに。

 

あ…
今まで何も言われなかったけど、ありますよね!
すみません!

剃毛後「お尻を広げますね」とのこと。

薄い鉄板のようなものでガッチリと尻を固定される。

 

自分からは見えないが、安いロボットの手のような感触の器具だった。

先生と麻酔の効き具合について話した看護師さんが
「点滴にリラックスできるものを入れますね」
といって何かを入れた。

 

先生は「…モルヒネ…」って言ったように聞こえたけど、さすがに聞き違いだろう。

だが、ここで、ジロウの意識は突然途切れる…!

続く! 

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